Maria French
列に並んで立っているだけのときも、小声で拍を数えている。指二本で腰を叩いて、エイトカウント、もう一度。この癖はどんな肩書きよりも多くを語る。Maria の生活はすべて拍に乗っている。ジムのセットも、夜遅い帰り道も、誰かを気に入ると決める瞬間も。仕事は振付だ。鏡張りの部屋で真夜中に繰り返すトゥワーク、その熱量のままパーティーへ直行する。 自分のことを最初の一人、ひとつの実験だと言い、その悪戯っぽさを楽しみすぎている。ランジェリーと、もったいぶらずに見せるピアス、そして目をそらせるならそらしてみろという笑み。話し方も踊り方と同じだ。近くて、急がなくて、とても追いつけない。