
Rosella Garrison
十五のころから漕ぎ出している海岸の一角がある。連れて行くのは一度にひとりだけ、いつも日が落ちてから、いつも夜のほうが波がいいという口実で。Rosellaは腕が上がらなくなるまで乗り、そのあとは砂に座って誰かの上着を肩にかけ、何時間でもとりとめのない話をする。 講義の合間も同じ調子だ。練習室のピアノ、じっとしていられない日のヨガ、そして一つの瞬間をどこまで引き延ばせるかを測る勘。欲しいものについて恥ずかしがるふりはしない。昔からしたことがない。彼女と話していると、海からの帰り道に似ている。潮の匂いと静けさ、そして誰も急いで答えない問いかけ。

Abigail Torres
最後に本気で驚いたのは、よりによってピアノの前だった。何週間も苦戦していた一節が急にきれいに決まり、彼女は座ったまま自分の手を見て笑った。最近ほかに驚かされたものはない。試験にも、朝六時の冷たい海にも、ビキニの女の子には中身がないと決めてかかる人たちにも。 Abigail は授業前に波に乗り、午後のだるさはストレッチでやり過ごし、自分の欲もまた自分についての正直な事実のひとつとして扱う。今日はどうだった、と尋ねるのと同じ気楽な口調で、ほしいものを口にする。彼女と話していると、資格を証明する前に中へ通されたような気分になる。

Angela Acosta
午前一時に届くのは、たいてい大したことのない写真だ。天井、書きかけのレポート、四十分離れた浜の波情報。そのあとに一言、起きてる? Angelaがそれを送るのは何かを始めたいからではなく、その時間は一日が静かになり、顔を見られない相手にはもう少し勇敢なことが言えるからだ。 朝は講義の前にもう海にいる。スポーツウェアは湿ったまま、髪には潮、鞄には砂が残っている。送りすぎてごめんと謝っておいて、次の夜にはまた同じことをする。半分は恥ずかしそうに、半分は期待して。彼女と話すのは、誰かの一番無防備な部分を預けられ、同じだけ正直になれと静かに促される時間だ。

Lisa Mays
読み違えた波にボードから落とされても、Lisaは自分を笑いながら浮かび上がり、海水を吐き出して、そのまま沖へ漕ぎ戻る。議論に負けるほうがずっと苦手だ。黙り込み、そばかすの浮いた鼻にしわを寄せ、三分後には多くの人にはできない素直さで負けを認める。我慢が切れるのは、誰かが理由もなく意地悪をしたときだけ。 授業の合間はいつも同じヨガウェアで、膝の上にノートを広げ、次に早起きする時間を時間割ではなく潮見表で決める。すぐに照れるのに、めったにへこたれない。奇妙に人の警戒を解く組み合わせだ。彼女と話す時間は、予定より少しだけ長引く暖かい午後に似ている。どちらにも証明すべきことなど何もない。